注文住宅を考え始めると、多くの方が一度は「自分で間取りを描いてみよう」と方眼紙やアプリに向かいます。家族の暮らしを一番よく知っているのはご自身なので、これはとても良いことです。
ただ、自分で考えた間取りには、プロから見ると「住んでから困るポイント」が隠れていることもよくあります。この記事では、福岡で注文住宅を建て続けてきた工務店の立場から、間取りを自分で考えるときに押さえておきたいコツをまとめました。
1. まずは「今の暮らしの不満」を書き出す
いきなり部屋の配置を考えるより先に、今の住まいで困っていることを書き出してみてください。「朝の洗面所が混む」「洗濯物を干す場所が遠い」「玄関に靴があふれる」など、具体的なほど間取りのヒントになります。
新しい家でかなえたいことは、不満の裏返しであることがほとんどです。家族それぞれに聞いてみると、思わぬ発見があります。
2. 部屋の広さより「動線」を先に考える
間取りの使いやすさを決めるのは、部屋の広さよりも、人の動き(動線)です。特に大切なのは次の2つです。
- 家事動線:キッチン、洗面所、洗濯物を干す場所、しまう場所が近いと、毎日の家事がぐっと楽になります。
- 帰宅動線:玄関から手洗い、収納、リビングへの流れがスムーズだと、散らかりにくい家になります。
描いた間取りの上で、朝起きてから夜寝るまでの1日の動きを指でなぞってみると、無駄な行き来や、人がぶつかる場所が見えてきます。
3. 収納は「量」より「場所」
収納は多いほど良いと思いがちですが、大切なのは「使う場所の近くにあること」です。掃除機は廊下に、日用品のストックはキッチンの近くに、コートやカバンは玄関に、というように、物ごとに置き場所を決めておくと、片付けやすい家になります。
4. 家具と家電の大きさを書き込む
自分で描いた間取りで多いのが、「ソファを置いたら通れない」「冷蔵庫の扉が開かない」といった失敗です。今使っている家具や、新しく買う予定の家電の大きさを測って、間取り図に書き込んでみてください。
コンセントやテレビの位置も、家具の配置が決まると自然に決まります。
5. 窓は「明るさ」と「外からの視線」をセットで考える
南側に大きな窓をつければ明るい家になる、とは限りません。隣の家との距離や、道路からの視線によっては、カーテンを一日中閉めたままになってしまうこともあります。
実際の土地に立って、どこから光が入り、どこから見られるかを確かめることが大切です。福岡市内のように住宅が密集している場所では、高い位置の窓や中庭(ライトコート)で光を取り入れる方法もあります。
6. 土地のルールを確認する
土地には、建てられる建物の大きさや高さを決めるルールがあります。建ぺい率・容積率、道路や隣地との関係で高さを制限する斜線制限、がけの近くで建て方を制限するガケ条例などです。
理想の間取りを描いても、ルール上建てられないこともあります。間取りを考える前、または考えながら、土地の条件を確認しておくと安心です。傾斜地や狭い土地でも、工夫次第で思い通りの家が建てられることも多いので、あきらめずにご相談ください。
7. 「今」だけでなく「10年後、20年後」も考える
お子様の成長や独立、親との同居、ご自身の年齢など、家族の暮らしは変わっていきます。子ども部屋を将来2つに分けられるようにしておく、1階だけで生活できるようにしておく、といった工夫をしておくと、長く住みやすい家になります。
自分で考えた間取りは、プロと一緒に仕上げる
自分で考えた間取りは、そのままでは構造や法律、費用の面で調整が必要になることがほとんどです。でも、そこに込められた「こう暮らしたい」という思いは、家づくりで一番大切なものです。
当社では、打ち合わせから設計まで代表が直接担当し、お客様の考えた間取りの「やりたいこと」を活かしながら、プランを一緒に仕上げていきます。完成した間取りは3Dで確認していただけるので、図面だけでは分かりにくい広さや見え方も、建てる前にイメージできます(詳しくは「プレゼン」のページをご覧ください)。
また、当社は工事費の原価をすべて公開しています。「この部屋を広くするといくら変わるのか」も分かるので、間取りと予算のバランスを納得して決められます(「原価公開」)。
これまでに建てた家の間取りの工夫は、「施工事例」でもご覧いただけます。ガレージのある家をお考えの方は「福岡のガレージハウス」、お店や事務所と住まいを一緒にしたい方は「福岡の店舗併用住宅」もあわせてご覧ください。
ご自身で描いた間取りがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人
麻生 一郎(株式会社エーワンディヴェロップ 代表取締役)
福岡市出身。地元のディベロッパーで約10年間営業を経験したのち、1996年4月に独立。以来30年、福岡で注文住宅の設計・施工と不動産業を、代表ひとりの「ひとり工務店」として続けています。工事費の原価公開と、WEBカメラによる現場公開に取り組んでいます。










